【冬キャンプ温度別】ナンガのシュラフの選び方。オーロラDXシリーズを徹底比較!
こんにちは。ランタカ(@rantaka221)です。
冬キャンプの季節がやってきました!
冬キャンプに必須のものといえばシュラフ(寝袋)!
私はこれまでナンガ(NANGA)のシュラフをいくつも使ってきて分かった、シュラフ選びで最も大事なこと。
それは「温度帯の把握」です。
よく行くエリアの温度帯と、今後挑戦してみたいエリアの温度帯を知り、それから最適なシュラフを選んでいきます。
今回は、温度帯の把握が重要なワケ、私がやっている調べ方を紹介していきます。
ナンガオーロラDXの選び方も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
シュラフを選ぶ前に考えること
冬用ダウンシュラフを買うぞ~~!!!!
と気合を入れて比較サイトを見まくるのはちょっと我慢して…
まず考えてほしいことがあります。
あなたが行こうとしているキャンプ場、冬の最低気温は何度ですか?
温度帯を知る
気温が分からなければシュラフも決められません。
よく調べずに、とりあえず安いものを買っても寒い思いをするだけ。
春~秋は、多少寒くてもなんとかなってしまいますが、冬はそういうわけにはいきません。
気温マイナス5℃のなか、暖房なし、シュラフは寒い…
極寒で辛い思い出を残したい方は結構ですが、冬用シュラフを買うということは今後冬キャンプを続けていきたいですよね。
温度帯の調べ方を知って、今後のキャンプに活かしていきましょう。
キャンプ以外にも使える調べ方です!
キャンプ場の最低気温の調べ方
行く予定のキャンプ場の気温が何度まで下がるのか。まずは調べていきましょう。
今回は、富士山周辺で有名な「ふもとっぱら」に行くと仮定して気温を調べてみます。
まずは天気サイトでキャンプ場の名前を入れて検索してみます。
私が普段使っているサイトはこちらです。
ウェザーニュースはピンポイントで天気を表示してくれるのでオススメ。
ウェザーニュースでピンポイント検索してもキャンプ場が出てこない場合は、以下のキーワードで再検索してみます。
- 周辺の観光名所(朝霧高原)
- 道の駅
- 付近の山、湖
それでも出ない場合は、市名や町名で検索します。
「ふもとっぱら」の場合は静岡県富士宮市になりますね。
キャンプ場の標高を考慮する
ここで注意が必要です。
天気予報サイトで表示された気温が、本当にそのキャンプ場の気温なのか、改めて確認します。
キャンプ場のテントを張る場所と、天気予報サイトで表示される場所が異なっていることがあり、表示されている気温とぜんぜん違うことがあります。
よくあるのが、付近の平地の気温が表示されているパターン。
たまによくある・・・
キャンプ場は標高が高い場所にあることが多いので、平地とは気温差大きいです。
そのため、標高を考慮して気温を見るようにしましょう。
標高の比較
標高を考慮した気温の算出方法は以下のような流れです。
- キャンプ場と平地の標高を調べる
- 標高差を計算する
- 気温差を計算する(100mにつき0.6℃)
- キャンプ場の気温を計算する
ふもとっぱらを例に計算してみます。
- 富士宮市(100m)とふもとっぱら(800m)の標高差
- 700m
- 100mあたり0.6℃下がるので、700m上がると…
- 4.2℃下がる
- 富士宮市の最低気温(9℃)から、700mの気温差(4.2℃)を引いてふもとっぱらの気温は…
- 4.8℃
ウェザーニュースではふもとっぱらのピンポイント天気があり、この日の最低気温は3℃となっています。
先ほど計算した4.8℃より低く出ているので、ウェザーニュースの情報は信ぴょう性が高いと言えます
参考:富士山周辺のキャンパーはマイナス10℃を目安に
私がよく行く富士山周辺の地域だけの話になってしまいますが、実際に行ったときの気温はこんな感じです↓
このあたりのエリアによく行く方は最低気温はマイナス10℃を目安に考えておくとよいです。
- 12月 朝霧ジャンボリー
- マイナス2℃
- 12月 ほったらかしキャンプ場
- マイナス2℃
- 1月 ふもとっぱら
- マイナス4℃
- 1月 ほったらかしキャンプ場
- マイナス5℃
- 2月 西湖湖畔キャンプ場
- マイナス9℃
温度計を持っていく
キャンプに行くときは温度計を持っていくのがおすすめです。
キャンプが終わって次回のキャンプに向けて準備するとき、実際に測った温度はギア選定の参考になります。
私がキャンプと登山で使っている温度計がこちら↓
たった25グラムと軽量なのでどこへでも持っていけます。電池も不要なのでほったらかしでOKなのもGood!
シュラフの温度表記の見方
シュラフには「快適温度/限界温度」などの記載があります。
ナンガのシュラフはユーロピアンノームという欧州の統一規格に則って設定されています。
EN:ユーロピアン・ノームとは
EN(ヨーロピアン・ノーム)とは、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアン・スタンダードとも呼ばれます。
スリーピングバックに関する温度表記についてはEN13537で算出が定義されています。
今までは各メーカーが独自の方法で算出されていた使用温度を、同一基準で示しています。
検査は認定された第三者機関が行う公平なもので、各メーカーの独自基準に基づく使用温度表示とは一線を画すものといえます。
要するに、今までは各メーカー独自の基準で表記していたけど、検査方法を統一して比較しやすいようにしようね!という目的で制定された評価基準です。
ナンガの温度表記はEN規格なので、独自に表記しているメーカーより公平で信頼性があります。
ユーロピアンノームは以下3つの温度で表記されます。
- COMFORT
- LIMIT
- EXTREME
COMFORT
快適使用温度と表記されることもあります。
一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域。
LIMIT
下限使用温度と表記されることもあります。
一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域
EXTREME
あまり表記されることはないです。
一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度域
EN規格の注意点
公平で信頼性のあるEN規格ですが、注意点があります。
それは欧州で制定された規格であるということです。
欧州人は日本人より体格がよく、寒さ耐性も強いです(※一般的には)
そのため、COMFORT温度だから大丈夫と思って買ってしまうと、寒くて失敗する可能性があります。
私は(172cm/53kg)ガリガリ体型なので、正直COMFORT温度では寒くて眠れません。
対して、私の友人(180cm/70kg)標準体型は、COMFORT温度がちょうどよく眠れる温度と言っていました。
なので、自分の体型、寒さ耐性を考慮して以下を目安に選んでいきましょう。
- 細身、寒さに弱い人
- COMFORT温度+3℃
- 体格いい、寒さに強い人
- COMFORT温度
ナンガ(NANGA)シュラフのシリーズ
温度帯の調べ方、シュラフの温度表記について説明してきました。
ここからが本題!ナンガのシュラフを紹介していきます。
ナンガのダウンシュラフは主に3種類のシリーズがあります。※特殊なものを除きます
- UDD BAG
- オーロラライト
- オーロラ
UDD BAG
高品質なスペイン産ダックダウン90-10%に超撥水加工を施したUDD DXを採用。 水濡れというダウン最大の弱点を克服。
生地を防水にするのではなく、ダウンの中綿そのものを撥水にするという発想。
ダウンは濡れると一切膨らまず、全く使い物にならなくなってしまいますが、UDD BAGはその欠点を克服した唯一のダウンシュラフです。
テント泊登山など、雨に濡れると危険なアクティビティ向けのダウンシュラフとなっています。
- ダウンそのものに撥水加工がされ、濡れても膨らむ
- 15dnの薄手の生地(撥水)
- 軽量・コンパクト
- フィット感:ややキツめ
オーロラライト
NANGAが独自に開発した防水透湿素材オーロラテックスを採用した軽量コンパクトなダウンシュラフです。
後述するオーロラと比べてスリムな造りになっていて、生地も15dnと薄め。
荷物に制限のあるバイクや徒歩キャンプにオススメのシュラフです。
- 生地にオーロラテックスを使用(防水透湿素材)
- 15dnの薄手の生地
- 軽量・コンパクト
- フィット感:ややキツめ
オーロラ
NANGAが独自に開発した防水透湿素材オーロラテックスを採用。
生地の厚みが40dnあり、耐久性が良いです。
オーロラライトより少しゆったりの大きさで、窮屈さを感じさせません。
3モデルの中では最も安価なので、車キャンプに最適です。
- 生地にオーロラテックスを使用(防水透湿素材)
- 40dnの生地
- フィット感:ややゆったり
冬キャンプ向けなのはオーロラシリーズ
ナンガのダウンシュラフの中では平均的なスペックのオーロラシリーズ。
UDDやオーロラライトと比べてサイズと重量少し大きくなりますが、ゆったり感があり、生地も厚手でキャンプで使いやすいシュラフです。
積載がギリギリでなければオーロラが最適!
オーロラには別注モデルがあり、性能は本家と変わらないのにお値段が安価なのでおすすめです。私は3ten別注モデルを使っています。
2022年11月時点では、「3ten別注モデル」が最も有力。
450~1000までラインナップがあり、納期もまだ遅れなし。
オーロラDX600,750,800,900,1000の比較
冬キャンプ向けの候補となるのがオーロラDX600,750,800,900,1000で、それぞれ比較していきます。
450DXは快適温度が0℃なので比較からは除外しました。
スマホは表がスクロールできます
項目 | 600DX | 750DX | 800DX | 900DX | 1000DX |
---|---|---|---|---|---|
収納サイズ | 18*30cm | 22*32cm | 22*34cm | 20*37cm | 22*40cm |
総重量 | 1200g | 1400g | 1350g | 1550g | 1550g |
ダウン量 | 600g | 750g | 800g | 900g | 1000g |
フィルパワー | 760 | 760 | 760 | 760 | 760 |
快適温度 | -6℃ | -8℃ | -9℃ | -10℃ | -11℃ |
価格 | 39800円 | 45300円 | 47500円 | 49800円 | 55500円 |
1gあたりの価格 | 66.3円 | 60.4円 | 59.4円 | 55.3円 | 55.5円 |
サイズ、総重量
ダウンシュラフを持っている人からすると、真冬用のダウンシュラフは少し大きく感じるかもしれません。
私は3シーズン用でオーロラライト450DXを使っていますが、オーロラ600DXと比べると大きさの違いは感じます。
それでも化繊の夏用寝袋と同じくらいの大きさなので、車キャンプであれば心配いらないでしょう。
フィルパワー
フィルパワーはダウンそのものの性能を表す値で、FPと略されることもあります。
ナンガのダウンはスタンダード(STD)とデラックス(DX)があり、オーロラDXはデラックスのモデルになります。
- スタンダード(STD)は650FP
- デラックス(DX)は760FP
ダウンの量が同じのとき、フィルパワーが大きいほうが体積(シュラフの膨らみ)が大きくなるので暖かくなります。
760FPは高級ダウンジャケットなどに使われるスペックなので安心!
快適温度
ユーロピアンノーム表記の温度です。
商品ページには下限温度の記載がありますが、前途のように快適温度を目安に選びましょう。
迷ったら1つ大きいモデルをおすすめします。
ダウン1gあたりの価格
結局どれがコスパいいの?ということですが、ダウン量以外はすべて同じスペックのため、ダウン1gあたりいくらなのか?を求めてみました。
この基準で比較すると、600DXは割高感がありますね。
上のモデルになるほど割安になっていくと思いきや、1000DXより900DXのほうがダウン1gあたりの価格が安いです。
一番お得なのは900DXということが分かりました。
とは言え、750DX以上は僅差なのであまり気にしなくてよいでしょう。
最低気温ごとに各モデルを比較
ここからは私の経験と感覚も交えて、最低気温ごとに解説していきます!
シュラフ以外の環境はすべて同じにしています。
ちなみに、750DXと800DXは体感ほとんど変わらないので、同じとします。
また、1000DXは使用したことがないので今回は外します。
- テント:サーカスTCDX(フロアなし)
- コット:Naturehike or Ogawa
- マット:サーマレスト Zライトソル
0℃まで
600DX
シュラフ単体で眠れる限界
800DX(750DX)
暑すぎず、寒くなく、ちょうど良い
900DX
暑くて途中で起きてしまう
-5℃まで
600DX
シュラフ単体では寒くて眠れない
湯たんぽや電気毛布を併用する必要あり
800DX(750DX)
暑すぎず、寒くなくちょうど良い
900DX
暑すぎず、寒くなくちょうど良い(体格良い人には少し暑いかも)
-10℃まで
600DX
キャンプに行くのを諦めるレベル
800DX
シュラフ単体では寒くて眠れない
湯たんぽや電気毛布を併用する必要がある
900DX
シュラフ単体で眠れる限界
ナンガオーロラ各モデルおすすめの人
600DX
比較的温暖な地域(関東だと伊豆や千葉)がメインで、たまに標高高めのキャンプ場へ行く人
800DX(750DX)
山梨を中心にマイナス1桁台のキャンプ場へ行く人
900DX(1000DX)
群馬や長野、標高が高めの場所にあるキャンプ場によく行く人
冬用シュラフは早めに準備しよう
冬キャンプシーズンになると冬用シュラフの需要が急に上がるので、毎年品切れや納期数か月待ち状態になっています。
本格的なシーズンが始まる前に購入しておくと安心です。
せっかくキャンプ場の予約が取れたのにシュラフがない!なんてことにならないように、早めに準備しておきましょう。
まとめ
本記事ではシュラフ選びに関する2点を解説させていただきました。
- シュラフを選ぶ前によく行くキャンプ場の温度帯を知ろう
- ナンガオーロラDXの各モデルを温度帯ごとに解説
冬用シュラフは価格が高いので、できるだけ安いほうを買いたいと思ってしまいがち。
ナンガはすべてのシュラフが永久保証なので、一度買ってしまえばキャンプを続ける限りずっと使えます。
長く使っていくことを考えると、安心できるモデルを選ぶのが一番です。
ではまた!