ツーリング動画は1カット10秒以内-短く撮って“使える素材”を増やす撮影術

ツーリングで動画を撮ったのに、あとで見返すと「走行シーンと景色ばかりで単調だな…」と思ったことはありませんか?
その原因は、多くの場合“長回し”にあります。長く撮れば撮るほど、編集では「どこを使うか」を探す作業が増えて大変になります。
そこでおすすめなのが 1カット=10秒 のルール。
短く撮るだけで、編集が一気にラクになり、見応えのある動画に仕上がります。
1カットは短く撮る
ツーリングに出ると、「せっかくの絶景だから全部残したい」と思って、つい長回しで撮ってしまいませんか?
僕も最初はそうでした。走りながらずっと録画したり、休憩中の風景を数分間撮ったり。
「動画=長回し」というイメージが強いので、つい長く撮ってしまいがちなんですよね。
でも、いざ編集してみると気づきます。長回しの中で実際に使うのはほんの数秒だけだということに。
ほとんどのカットは 1〜2秒。見せ場として「ここはしっかり見せたい」と思うシーンでも 4秒程度しか使いません。
つまり、30秒や1分の映像を撮っても、完成した動画に残るのはわずか数秒。
だからこそ大事なのは、1回のRECでたっぷり撮ることではなく、1カットを短く区切って、あとで編集で繋げる意識です。
写真を撮るように動画を撮る
ここで役立つのが「写真を撮るように動画を撮る」という意識。
ライダーなら、こんな経験ありますよね?
- 出発前にバイクを撮って「これから出発!」とSNSに投稿する
- 途中のコンビニでコーヒーとバイクを一緒に撮って「休憩中」と投稿する
- 目的地のモニュメントを撮って「○○湖着いた!綺麗!」と投稿する
普段から写真は短いストーリーを作っています。
これを写真の代わりに10秒動画で撮って、あとで繋ぐだけで、自然とツーリングの物語ができあがるんです。
動画だからといって難しく考える必要はありません。
「写真を撮る感覚で短く動画を撮る」——それだけで十分なんです。

短く撮るメリット
1カットを短くすると、撮影も編集もグッとラクになります。
メリットは大きく3つあります。
短く撮ると「選ぶ」「並べる」「捨てる」が速くなる。これが編集を軽くする核心です。
編集が速くなる
- サムネイルを見ただけで「何の映像か」が分かる
- 素材の選別がスピーディーになる
- 迷う時間が減って、編集のハードルが下がる
容量や転送が軽い
- ファイルサイズが小さいので、長時間撮れる
- PCやスマホへの転送が速い
- ストレージの空きを気にしなくて済む
撮影の目が育つ
- 長回しは「どこを使うか」を未来の自分に任せてしまう
- 短く切ると「今この瞬間がベスト」と考える習慣がつく
- 撮るべきポイントを自分で見極められるようになる
短く撮るメリットを最大化する”前提の心構え”→

なぜ1カット10秒なのか
「短く」といっても、じゃあ何秒がちょうどいいのか?
答えは 10秒 です。
理由はシンプル。
- 編集で実際に使うのは 1〜2秒
- 見せ場でも 4秒程度
- ただし、頭1秒と末尾1秒はブレやREC操作で使えない → 6秒は最低限必要になる
そこで安全マージンをとって 10秒。
これなら使える部分が6〜8秒残ります。
さらに、10秒を超えると「この映像は何を撮っていたのか?」と後で分かりにくくなる。
逆に10秒なら、サムネイルを見ただけでシーンを判別できます。
つまり、10秒ルールは 編集で確実に使える余白を残しつつ、後から見返しても分かりやすい素材をつくる 最適解なんです。
実際に10秒で撮ってみるとどうなる?
最初にやってみると、「10秒って意外と長い」と感じます。
- ただ静止しているだけでも、しっかり“間”が取れる
- 1カットに入れるのは 1アクションだけ で十分
- 10秒を意識すると「ここで切ろう」というリズムが自然にできる
結果、映像の粒度がそろい、編集で並べ替えたときに心地よいテンポが生まれます。
「1カット10秒」は、撮影と編集の両方をスムーズにする基準になるんです。
例外:10秒ルールを“意図して”破る場面
基本は「1カット=10秒」ですが、すべての場面に当てはめる必要はありません。
状況によっては、あえてルールを外したほうが効率的な場合もあります。
走行中の撮影
バイクで走行中にRECを止めるのは危険です。
安全に止められるタイミングまで録画を続けるのが最優先。
このときは10秒ルールを気にせず、止められる場所まで撮りっぱなしで構いません。
あとで編集時に使える部分を切り取ればOKです。
明らかに“ワンカットで済む”シーン
- バイクの一部を切り取ったクローズアップ
- 「○○湖」と書かれた看板やモニュメント
こうしたシーンは1秒だけあれば十分と分かっています。
メインシーンにはならないので、10秒も回す必要はありません。
ただし、この判断はある程度慣れてからで大丈夫。
最初のうちはすべて10秒で撮っておいたほうが安心です。
👉 こういう“例外”を知っておくと、撮影が柔軟になります。
大事なのは「編集で使うカットを無理なく残す」こと。
10秒ルールはあくまで基準であって、状況に応じてアレンジすればいいんです。
やりがちNGと対処(10秒ルール編)
10秒ルールを実践しようとすると、逆にやってしまいがちな失敗があります。
代表的なNGと対処法をまとめました。
NG1:1カットに動きを詰め込みすぎる
パンしながらズームして、さらに手を振る……。
こうするとサムネイルに表示されている画角以外の映像は、編集時に撮ったことに気づけないんです。
結局「撮ったのに使わなかった」素材が増えてしまいます。
対処:
- 1アクション=1カットを徹底
- 動きを変えたいなら、別のカットに分けて撮る
NG2:10秒撮れていない
意図して短く撮るのはOKですが、体感だと10秒は意外と長いため、実際には5秒程度で止めてしまう人が多いです。
対処:
- カメラの秒数表示をチェックする
- 慣れるまでは「ゆっくり10数える」習慣をつける
NG3:歩きながら撮ってしまう
「10秒も立ち止まれない」と思って歩きながら撮ることがあります。
ですが映像においてカメラの動き=カメラワークは、意図して付けるもの。
意味もなくカメラが揺れていると、視聴者に不快感を与える原因になります。
対処:
- 静止して10秒撮るを基本にする
- 動きをつけたい場合は「パン」「チルト」といった意図を持って別カットで撮る
NG4:「まだ足りない」と惰性で伸ばす
本当は十分なのに、不安で20秒以上撮り続けてしまう。
これでは結局「長回し」と変わりません。
対処:
- 編集で使うのは1〜2秒が基本だと理解して割り切る
- 「余白はすでに確保できている」と意識する
👉 これらを避ければ、10秒ルールをより効率的に活かせます。
7. まとめ(+次のアクション)
この記事のポイント
- 動画=長回しではなく、1カットは短く撮ることが大事
- 短く撮ることで、編集がラクになり、容量も節約でき、撮影の目も育つ
- 1カット=10秒がベスト。使える部分は6〜8秒、サムネイルでも分かりやすい
- 例外的に「走行中」や「看板・パーツのワンカット」では柔軟に調整してOK
- NGは「動きを詰め込みすぎ」「10秒撮れていない」「歩き撮り」など。静止して短く、1アクション=1カットを意識しよう
次の記事(Step3)は 編集についてです。
撮影しに行く前にサラッとでも読んでおけば、編集の流れをイメージできて、撮影の精度がグッと上がります。
そして、この記事の内容と、前の記事「撮影タイミングテンプレ」で学んだことを組み合わせて、次のツーリングで実践してみてください。
短く撮るだけで「編集ができる素材」になることを、きっと実感できるはずです